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木の家に住んでいます ~木の家ものがたり~

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 何もない所から家の骨組みがいきなり立ち上がる「建て方」を見ていると、あっけなく家が建つように感じてしまうのだが、建て主さんが、大黒柱となる木を切ったのがちょうど1年前。他の材料も含めて木が山から出て家になるためには長い準備期間を要した。その間、木は慎重に製材、乾燥され、さらに大工による入念な下準備が行われる。

 取材班が、久道工務店さんの下小屋と呼ばれる作業場所を訪ねたのは、「建て方」の1ヶ月以上前。材木がここに運び込まれてから2ヶ月、下準備である「刻み」の作業が佳境を迎えていた。

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手刻みが終わり現場に出るのを待つ材料

 今回の家の場合、建築士である宮越さんが図面を書いている。しかし実際に材料を見て、その使い方、組み方を決めたり、材料を刻み、穴を開けていくのは久道棟梁とお弟子さんたちであり、両者の意思疎通が大切である。

 一本一本の材料の個性、「木の目」「向き」を読み、加工の目印となる「墨を付ける」のが棟梁の大切な仕事。この段階で、棟梁の頭の中には、どの材料をどのように組むのかが既に出来上がっているという。

 「棟梁がいなかったら家は建たない」と建築士の宮越さん。描いた図面、建築関連法令の解釈などをもとに、棟梁のノウハウを活かすよう調整を行う。このような調整によって、建て主の希望と設計の意図と大工の経験が相乗効果を上げ、よりよい家づくりに昇華していく。例えば、間柱を太いものにして、貫で横につないでいく壁の構法は棟梁の提案だ。

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ノコやノミだけではなく、電動工具も用いられる。現代の大工は電気の使い方も技のうち。
図面と材料を前に打ち合わせする宮越さんと久道棟梁
金物を使わない伝統構法の仕口。
複雑な加工のひとつひとつに意味があり、木の特性を生かしてつなぐ。

 こんな作業が行われている、下小屋を建て主の浦野さんも何度か訪れている。自分が伐った木が家の材料になっていく過程を見たり、棟梁から木という材料の特性を教わったりしながら、これから建て、住みついで行く家との付き合い方を勉強したという。

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建て主さん自らが伐採した木で造られた大黒柱。「刻み」を施す大工さんも「緊張しますね」。

 

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