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「コーン、コーン、コーン」埼玉県上尾の畑と住宅が混じって広がる新興住宅地、槌の音が響き渡る。
忘れていたがかつて聞いたことがある音である。そう、筆者が子供の頃は、いつも町のどこかからこういう「普請の音」がしていたものだ。
今回は、伝統構法の木の家を提供している埼玉県の木住研、宮越喜彦さんに声をかけていただいて、家を建てるための材料を準備する大工さんの手仕事と、その木を組み家の骨組みができ上がっていく「建て方」を取材した。
木住研 一級建築士
宮越 喜彦さん
宮越 喜彦さん
「僕たちが今やっているのは、100年200年続いていく物語のプロローグに過ぎないのです」と宮越さん。この家で家族の歴史をつないでいくのは、建て主さん一家。建築家は、その最初の手伝いをしているのに過ぎないのだと言う。
「さらに言えば、この家の材料になった木は80年~90年前に植えられ、育てられてきた。物語はそこから始まっているんです」
「建て方」はその長い物語の中でも特別な日。土台に柱を立て、家の骨組みを立ち上げる。そうして屋根の一番高い所の部材である「棟」上がると「上棟」ということになる。この家の歴史にとって、ひとつの節目であり、重要な通過点である。




