この住宅は定年を間近にした夫婦の終の棲家として建てられました。夫婦が旅の途中に出合った建設地は、鳴瀬川の河口と野蒜湾を一望する場所にあります。鳴瀬川の源はこの住宅に使用された杉材の産地に連なる奥羽山系です。土台を除いた木材は、同じ山で同じ時期に伐採、葉枯らしされた杉材を入手し建設されました。

床高は、眺望を得るためと夏の涼風を招き入れるために1mほどの高さの防波堤と同じになっています。右側が鳴瀬川河口です。
防波堤からの外観です。
タイコ落としした梁組みを表し、ロフトへとつながる天井材は、その辺材の杉板です。
リビングの俯瞰、土間床にあしらった黒板と上段の白木の床、白木の床に強さを与える白壁と架構のコントラストが特徴です。
木材を多用しながらも、木だけの雰囲気にならない空間を目標に。
間取りと外観は、8mの葉枯らし丸太(杉)を無駄なく、継ぎ手なく使用する構造(梁組み)を基本に計画されています。床材や天井材は、その梁材の周辺部(辺材)を加工し用いています。伐採から製材、乾燥、加工の流れを把握した家づくりです。
| <詳 細> | |
|---|---|
| 建物工法 | 伝統的在来木造 |
| 建物階数 | 2階建て |
| 防火地区区分 | 22条区域 |
| 竣工年 | 平成18年 |
| 延べ床面積 | 104.74 m2 |
| 工事費 | 1580 万円 (うち木材費用:264万円) 【工事費に以下のものを含む】 設計・工事監理費 |
| 坪単価 | 49.9 万円 |
| 使用木材量 | 26.48 m3 |
| 国産材使用割合 | 100 % |
| 使用国産材の樹種と主要産地 | 杉:宮城県大崎市鳴子、 檜:宮城県 |
| 主要構造材の断面積 | 土台・通し柱 12cm×12cm 梁 12cm×30cm |
| 乾燥方法 | 天然乾燥 構造材の含水率 25 % |
| 間取り図 | →間取り図を見る(PDF 10KB) 【間取り図の説明】 大屋根の下、野蒜湾に向かってウッドデッキ、土間風の黒板床、白木床、畳床を一直線上に配しています。ワンルーム状の空間は、収集した絵や陶器を置いて楽しむためのギャラリーでもあります。その効果を高めるため、ウッドデッキに面する開口部を除く窓は地窓とし、通風と程よい光を得ています。畳床の上がロフト(2階)で、寝室の役目を担い、その東側の小窓は河口越しの貞山堀(江戸時代の運河)に正対する位置になっています。 |