地域の森の木と土壁による伝統工法の家。

外部完成の写真です。箱屋根に換気用の唇窓付で、2階階段室の明かり取りにもなっています。外部は漆喰と、柿渋ペイント塗羽目板張りとしています。
南側テラスから東の方角をのぞんでいます。のぼり垂木は12cm*12cmで、軒の出は1m12cmと深くとっています。玄関とその向こうがおばあさんの部屋になります。
玄関の正面出入口は桧製の格子戸です。玄関には杉の下駄箱を作り付けてあります。上部は階段ホールの吹き抜けとなっています。

居間から食堂をのぞんでいます。小屋裏は天井は張りません。左側和室は鴨居作りとしています。梁が現しとなり架構の美しさがよくでています。奥に食器戸棚とテーブルが見えますが、これも杉材で作り付けたものです。大黒柱は同じく杉の24cm角です。

キッチンの上には、15cm*45cmのこの家で最も大きな杉の梁があります。左手が杉のキッチンカウンター、右の上部に作り付け吊戸棚が設置してあります。
長良川の流域の森、郡上地方の木材を使って作り上げた家です。土台など床下部分は桧、その他は、梁、丸太、柱などの構造材から造作材に至るまで、すべて杉材を使っています。屋根は美濃地方のいぶし瓦、壁は貫工法を採用し、貫は1層に120*30を5本入り、間竹小舞とわら縄による土塗壁厚8cm(中塗含む)建築基準法の壁倍率1.5です。また床には3cm(1階)、4cm(2階)杉板を使用しています。木材の使用量84m3(1.5m3/坪)は一般的な木造住宅の1.5倍ほどになります。伝統の継手、仕口を用い大工の手刻みにより組み立ててあります。建てたときとは逆に、上から順に骨組みを取り払ってゆけば家は解体できることになります。設計にかかわったこの家が今後100年経た後も、この地方の古民家として、住みつづける家族の場として、なお残り続けてほしいとねがっています。
| <詳 細> | |
|---|---|
| 建物工法 | 伝統的在来木造 |
| 建物階数 | 2階建て |
| 防火地区区分 | 22条区域 |
| 竣工年 | 平成20年 |
| 延べ床面積 | 187.64 m2 |
| 工事費 | 3600 万円 (うち木材費用:800万円) 【工事費に以下のものを含む】 作り付け家具、設備 |
| 坪単価 | 64 万円 |
| 使用木材量 | 84 m3 |
| 国産材使用割合 | 100 % |
| 使用国産材の樹種と主要産地 | 桧、杉材 長良川流域の森の木 |
| 主要構造材の断面積 | 土台・通し柱 120mm、通柱なし(梁通し) 梁 12cm*27cm |
| 乾燥方法 | 人工乾燥 構造材の含水率 20~25 % |
| 間取り図 | →間取り図を見る(JPG) 【間取り図の説明】 家族構成は夫婦子供2人とおばあさんの5人家族です。間もなくおばあさんが体が不自由となるので、家内の床は段差がつけてありません。おばあさんがトイレや風呂に行くのに便利なように考慮してあります。 |