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■平屋で育った二人の選択
建て主は、二十代後半の結婚一年目のご夫婦。結婚に合わせて昨年(平成二十一年)建てたのがこの家。541m2の広い敷地に対してやや斜めにレイアウトされ、南を向いた大きな片流れの屋根を持つ、伸びやかな印象の平屋である。
石濱 守・恵子ご夫妻 二人とも建築士
なぜ「平屋」を選択したのか。そこには二人の育った環境が大きく影響している。「平屋で育ったから、階段のある生活がイメージできなかった」と口をそろえる。たまたま二人とも、廊下に面していくつかの座敷がある、伝統的な日本の間取りで育ったという。
だからこそ自分達の家を考える時、そういう間取りとは違うものを求めた。 あくまでも外観はシンプルに、ひとつの屋根の下に全部が収まった一体感のある家。田んぼの中に伝統的な瓦屋根の家がポツポツと建つこのエリアでも、突出して目立つことがないようにと考えた。
ご主人はそれを直感的に「犬小屋」と表現する。設計を担当した石濱夫妻の「ヒヤリングシート」にもそう回答した。一瞬、ぎょっとする言葉だが、石濱 守さんは打ち合わせを通じて「これはいけるかな」と感じたと言う。
■反応が薄かったハウスメーカー
二人も、最初は住宅展示場巡りをした。しかし、どこへ行っても「反応が薄かった」とご主人。「平屋を建てたい」と言うと「えっ?」と聞き返され、「若いのに・・」とか「誰が住むの」などと散々だったそうだ。見せられたパンフレットの実例も60代の「終の住処」、営業の提案も全て二階建てだったという。
誰か相談に乗って設計してくれないかと探していた時に、伯父さんの友人である石濱さんを紹介された。親戚の家に石濱さんが手掛けた平屋があったので、早速見学に行った。「平屋なのに中身は新しい」と感じて一目で気に入った。こうして四人での家づくりが始まった。




