Vol.2 加古川の家> ●木の家ものがたり ●映像を見る(木のいえTV) ●詳細情報・問い合わせ
■光と風を取り入れて視線を遮る
リビングダイニングの南側は大きく開口が取られているが、敷地の2面が道路に接しているため外からの視線を遮る工夫が必要となった。
長く伸びた軒の下にヒノキの小角材を並べた濡れ縁が設けられているが、その上に真鍮のレールを敷き格子状の戸を取り付けた。
格子戸はヒバ製のオリジナル。縦方向の桟には「几帳面」と呼ばれる面取りがされており、職人の丁寧な仕事が光る。この格子戸のおかげで、部屋に視線避けのためのカーテンを付ける必要がない。
また格子戸は可動式のため、日差しの調節ができる他、壁に引き込める全開口サッシと合わせて、室内外を遮るものがない状態を作ることも可能だ。
南側開口部から入った風は、個室の引き戸を開ければ北側の窓へ抜ける。風通しは抜群で夏場も涼しく過ごせそうだ。5つのトップライトのうちの1つは電動で開閉できるため、天井近くの空気の流れも確保されている。また、高い天井高のために生じる上下の温度差を解消するために、シーリングファンも設置している。
トップライトは一ケ所が電動で開閉できる
|
天井にシーリングファン
|
■自然素材に囲まれて
明るく風通しの良いLDKの壁には、シラス壁(中霧島壁)を採用した。全体を刷毛引きで仕上げた壁は良く見ると柱などとの境だけ鏝押さえされ、全体の印象をシャープにしている。天井はさらに雰囲気を変えて鏝跡を残し、変化をつけている。左官の仕事が控えめながら室内にニュアンスを加えている。予算の関係で左官仕事を諦めざるを得なかった他の部屋も自然素材にこだわり、土佐和紙を貼った。
「洋風の家を建てる人が多いが、日本の伝統的なものも生かしていきたかった」と言う建て主の岸本さんもこの家の仕上がりには満足な様子。廊下が無いことで個室のプライバシーが得られにくいのでは、と心配したが、自らもアイデアを出して引き戸にストッパーを取り付けることにした。しかし、こんなにのびのびとした環境で育てられた子供達は、将来も部屋に鍵は要らないような気がするのは私だけだろうか。
(写真・文 日本の木のいえ情報ナビ 編集長 玉井 光則)